ナメたら酷い目にあう「浅草花やしき」……ただの観光地じゃないかもしれない地「浅草」の昭和レトロに、少しだけ触れてきたよ【後編】
どうも、束子。です。
前回の記事で、
「花やしき」部分を、まるまるすっ飛ばしました。理由は単純明快「長くなりそう」の一点なのですが、その長くなる原因が、「二十ウン年間生きてきて、こんなに『花やしき』が恐ろしい所だとは思わなかった」という感想を抱いたからです。
今回は、如何に「花やしき」が恐ろしい場所なのか。ナメたら酷い目にあう束子。的「浅草花やしき」最恐アトラクションベスト3を、感想を交えて纏めていきたいと思います。
7,000文字オーバーの長文なので、目次を設けました。余計な情報は要らないわ! という人はご活用ください。
- 「花やしき」とは
- いざ行かん! したヤツらのスペック
- いざ行かん! ナメたら酷い目にあう束子。的「浅草花やしき」最恐アトラクションベスト3
- 浅草花やしきをナメると、どんな酷い目にあうのか
- 浅草花やしき(※6月12日追記)
「花やしき」とは
パートナーちゃんに「花やしき」の存在を話そうとしたら「『花やしき』って何?」と問われたので、知らない人の為に軽く説明。
「花やしき」──正式名称「浅草花やしき」とは1853年に開園*1した、昭和レトロ溢れる浅草の遊園地です。浅草寺を参拝した後に、「『東京スカイツリー』に行くか『浅草花やしき』に行くか」で親子がガチ喧嘩*2を繰り広げるぐらい、浅草界隈を代表する観光地の1つでもあります。
どこにあるの?
浅草花やしきは、公式サイトの情報だと地下鉄銀座線、浅草線、東武スカイツリーラインの「浅草駅」から徒歩5分。つくばエクスプレスだと「浅草駅」から徒歩3分という、驚きの近さの場所にあります。
地図で見ると、こんな感じ。
浅草寺を正面に見て、左側ですね。
つくばエクスプレスを利用すれば、確かに3分で到着できそうです。しかし、銀座線、浅草線を利用した場合、5分では絶対に着きません(公式サイトさんゴメンなさい)。
最も簡単な行き方は、駅を出て雷門をくぐって仲見世通りを通り、浅草寺の本堂を左折して大きい道路を道なりに……となっていますが、仲見世通りの誘惑と人混みに必ず阻まれるので、スムーズに進むことは困難です。特に日中は無理 (浅草の誘惑と混雑具合ナメんなぁ)。焦らずゆっくり、周辺を楽しみながら向かうことをオススメします。
また、もし迷子になっても「花やしき」と書かれた「Beeタワー」が遠くから確認できるので、それを目印に歩いて行きましょう。実際に私は「おっ、ここなんだろう!?」と衝動的に横道に逸れた結果、見事な迷子になり、「Beeタワー」を目指して歩きました。
ちなみに、浅草花やしきには駐車場がありません。近くにタイムズなどの駐車場は幾つかありますが、必ずしも駐められるとは限らないので、公共交通機関を利用するのがベターです。
おいくらなの?
浅草花やしきは、入園料と乗り物代は別になっています。 詳しくはコチラ。
抜粋すると、
- 入園料(大人):1,000円
- のりもの券(11枚綴り):1,000円
- フリーパス(大人):2,300円
となっています(一部別途料金の必要なアトラクションがあります)。
今回、私はフリーパスを利用しました。浅草花やしき「浅草門」から入園すると、正面にピンク屋根のフリーパス売り場があるので、そこで買い求めましょう。
係員のお姉さんにバンドを巻いてもらったら、いざ行かん! 最恐アトラクション!
いざ行かん! したヤツらのスペック
束子。ベスト3を発表する前に、いざ行かん! したヤツらのスペックを紹介します。
束子。
私。JK時代、人生初の飛行機でガチ泣きしたことがある。MRIとCTも怖い、閉所恐怖症のきらいがある27歳。ジェットコースターも嫌い。人生で乗ったことのあるジェットコースターは、TDLの「スプラッシュ・マウンテン」「ビックサンダー・マウンテン」、よみうりランドの「バンデット」の3つのみ(いずれも抵抗虚しく、友人らにドナドナの如く連れられて)。
友人A
高校の同級生。人生初の飛行機でガチ泣きする束子。の手を、ずっと握っていてくれた隣席のAちゃんとは、この子のこと。お化け屋敷の類以外は、わりとなんでもイケるタイプ。今回、アトラクションを満喫している最中に「人が恐怖に泣き叫ぶようすを眺めるのが何よりも楽しい♡」という、とんでもないカミングアウトをぶちかました 性悪 イイ性格の持ち主。
いざ行かん! ナメたら酷い目にあう束子。的「浅草花やしき」最恐アトラクションベスト3
※注1:あくまで束子。的です。全ての人に当てはまる訳ではありません。
※注2:現在(掲載日時点)、「スペースショット」「Beeタワー」は運休中です。また、叫び疲れと身体的・精神的疲労により、以下のアトラクションしか体験していません。
- ローラーコースター
- スカイシップ
- スリラーカー
- シラサギ
- リトルスター
- ゲームプラザ
- ビックリハウス
(詳細は浅草花やしき公式サイト「アトラクション」を参照)
「束子。的『浅草花やしき』最恐アトラクションベスト3」は園内の全アトラクションを体験・比較して作られた、正当性のあるランキングではないことをご了承ください。
第3位「スリラーカー」
第3位は、乗り物に乗ってまわるお化け屋敷「スリラーカー」です。公式サイトの紹介によると、
西洋風お化け屋敷。
お化け屋敷なのに、恐いというより、
おもしろかったりするところが花やしき流!引用元:浅草花やしき「スリラーカー」
とのこと。確かに、ひゅ〜〜どろどろどろ〜〜の効果音とともに白装束の黒髪女性が出てくることはないので、“西洋風”は言い得て妙です。「恐いというより、おもしろかったりする」とありますが、恐かったよ。
「スリラーカー」恐怖ポイント:狭い&暗い
え? 狭い&暗いって、お化け屋敷なんだから当たり前じゃん! と言われるかもしれません。そうです、当たり前です。が、私のスペックを振り返っていただきたい。
MRIとCTも怖い、閉所恐怖症のきらいがある27歳。
引用元:上記「いざ行かん! したヤツらのスペック 束子。」
これな!
たぶん……というか絶対に、閉所恐怖症のきらいがなければ「スリラーカー」は全然怖くないアトラクションだと思います。仕掛けや演出も、お化けで恐がらせるというよりは音や光で驚かせる要素が強いので、小さなお子様でも安心して巡ることができます(実際、5歳以上は1人で乗車可能)。なんら恐いことはない、ワクワクすら感じるアトラクションでしょう。
しかし、私はお化け屋敷に突入する
↑この緑のトンネルの時点で無理。こわいこわい。
暗くて狭い空間内に響き渡る大音響、突然光ったりなんやかんやする仕掛け、「スリラーカー」の前に乗った「ローラーコースター」の傷心も相まって、めっちゃ叫びました。どのくらいの叫び声だったかというと、アトラクション終了後、係員のお兄さんに「外まで声が聞こえてましたよ(苦笑)」と言われるほどの声量です。
ちなみに友人Aもめちゃくちゃ叫んだ後、「お化け的な恐さはないけど、暗いし音が大きいし……よく分かんない!! 何かよく分かんないけど恐い!!!」と申しておりました。語彙少なすぎかよ。でも、すっごく共感。
第2位「ローラーコースター」
第2位は「ローラーコースター」です。
最高時速たったの42km/h!落したボルトは数知れず(←ウソ)
昭和28年に生れた日本現存最古のコースターも60歳を超えました!
「還暦」は迎えたけど、まだまだ元気に下町のど真ん中を爆走中!
浅草に来たならコレに乗らなきゃダメでしょ。引用元:浅草花やしき「ローラーコースター」
紹介文に記されている通り、「ローラーコースター」は日本に現存する最古のジェットコースターです。乗り場に向かう階段の上には、しっかりと「日本現存最古のコースター」の一文が。
すごい……装飾のライトが有刺鉄線に見えます。もはや、ここから恐い。
乗り場にもホラーめいた字体で「Since 1953」と表記されています。63年前から走っているのか……ジェットコースターへの恐怖の他に、還暦越えの乗り物に乗車する、安全性への恐怖が芽生えるのは致し方ないことでしょう。
「ローラーコースター」恐怖ポイント:レトロ溢れすぎなレールで、建物やアトラクションの間を激揺れしながら大爆走!
昨今のジェットコースターに比べると「ローラーコースター」は、然程スピードが速いわけではなく、高低差が凄まじいわけでもありません。全長もスタートからゴールまで、2分かからないほど短いものです。では、どの辺が恐ろしいかというと……ズバリ、レトロ感です。
日本最古のジェットコースターだけあって(?)、コースターの車両は小さめ。安全バーも腰部分を抑えるだけの簡素なものです。まあ、最高時速たったの42km/hですから、仰々しい安全対策は必要ないのかもしれませんが……赤く錆び付いたレールを疾走すると考えると、なんとも言えない不安が沸き起こってきます。
さらに「ローラーコースター」は、決して広くはない浅草花やしきの園内をぐるりと回るようにレールが敷かれています。なので、他のアトラクションと壁の間を縫うように走り抜け、建物の中に飛び込む構造になっています。
この、走っているときの揺れが凄まじい! ガタガタガタ!! という騒音と共に、上半身が上下左右に振られるのです。正直、速さや落下の感覚よりも、揺れで脱線したり、体が建物や壁に打つかるんじゃないか*3という恐怖心でいっぱいでした。
「ローラーコースター」の揺れの激しさは、園外からでも体験することができます。「入園する気はないけど興味がある」「とりあえず乗る前に、どれくらい揺れるのか知りたい」という人は、「浅草花やしき」浅草門入り口の右側の道路に立ち尽くしましょう。すぐ側を走り抜けてくれるので、レトロ車両をチラ見+壁をも揺るがす振動を確認できますよ!
第1位「リトルスター」
束子。的「浅草花やしき」最恐アトラクション、堂々の1位は「リトルスター」です。
かわいいお星様に惑わされちゃダメ!
いったん動き出したらどっちに回転するかわからない。
とにかくよく回るアトラクション。引用元:浅草花やしき「リトルスター」
御察しの通り「リトルスター」は、星型の乗り物がメリーゴーランドのように360度回転するアトラクションです……なんて単純なものだったら、1位にランクインはしません。
「いったん動き出したらどっちに回転するかわからない」「とにかくよく回る」と記述されている通り、この「リトルスター」はメリーゴーランドのように全体が回る+星型部分も前転・後転しまくるアトラクションなのです。開発者バカなんじゃないかな!?!?
「リトルスター」恐怖ポイント:焦らされつつ行われる突然の前転・後転&滑る座席
「リトルスター」の恐ろしいところは、いつ回るのか分からない……散々焦らされた後に突然1回転するところです。
確かに紹介通り「とにかくよく回る」のですが、常にぐるんぐるん回り続けているわけではありません。まず、稼働ブザーが鳴らされた瞬間、ガタンッ! という衝撃と共にストッパーが外されます。ストッパーの支えを失った星は、揺り籠のようにゆらゆら〜〜ゆらゆら〜〜と、揺れ出します。
全体の回転がスタートすると、星の揺れ幅の強弱が激しくなります。小さく揺れたかと思えば、地面と上半身が垂直関係になる程……いや、それ以上の角度に揺れ出します。しかし、なかなか一回転しない。「回そうかな〜〜? どうしよっかな〜〜〜?」って散々焦らされる。いっそ一思いに回転しろ!! ってぐらい回らない。
かと思ったら、突然の1回転!! この焦らし→1回転が、私たちの平衡感覚を大いに狂わせてくるのです。
さらに「リトルスター」の座席は、非常にツルツルした素材になっています。また、後述しますが、安全装置であるベルトが1回転するアトラクションの割にとても簡素です。よって、しっかり踏ん張らないと、焦らしのゆらゆらで椅子から滑り落ちそうになる+突然の1回転で椅子から滑り落ちそうになる&背中を強かに強打する羽目になるのです。
正直、こんなに乗ってて疲れるメリーゴーランドは「リトルスター」以外にないと思います。アトラクション的にも、精神的にも、物理的にも恐い。
スピード系は苦手だけど、遠心力は大好き! という人にはオススメです。ドラム式洗濯機に放り込まれた洗濯物の気分になれるので、ぐるぐる回されてください。
「リトルスター」余談:前情報なく乗ったから大絶叫+◯◯した話
実は私、「リトルスター」が如何なるアトラクションなのか、乗車するまで全く知りませんでした。浅草花やしきに向かう道中「敢えて無知のまま楽しもう」と公式サイトをチェックすることは一切せず、園内を彷徨っている時も動いている「リトルスター」を目撃することがなかったからです。
だから、友人Aの「次、これ行こう」に二つ返事で頷いてしまったのです。私って、ほんとバカ……。
乗る前に荷物を専用ロッカーに収めるよう求められます。私は持ち物を全てリュックに入れて仕舞いましたが、係員さんに「すみません。そのネックレスも外して、ロッカーに入れてください。あと、ジャケットのブローチも」と言われました。正直「え? 回るだけでしょ? なんで?」と戸惑いましたが、嫌と言う理由もないので素直に従います。
この時点では、完全にメリーゴーランドの星形バージョンという認識。
そして、指定された番号の星形に乗車。中は4人乗りになっていますが、並んで座ると、お隣さんとピッタリくっついてしまうほどの狭さです。乗り込む時も、屈まなければもれなく頭を強打する天井の低さ。閉所恐怖症きらいには辛い空間ですが、引き下がるわけにはいきません。入場しちゃったし。頑張って乗り込みます。
「リトルスター」の安全装置は、太いベルトです。腹部を押さえつける形で、係員さんが締めてくれます。締めるといっても車のシートベルトのようになっているわけではありません。ベルトの端に幾つか開けられた穴と車両を、「大きくは体が動かないだろう」という部分で固定するだけのものなのです。
留められる部分は上のヘタクソな絵の通り決められているので、体型によっては1人、もしくは2人並んでの着席になる場合があります。今回私たちは後者──2人並んでの着席することになりました。
私が「リトルスター」のアトラクション内容を知ったのは、この瞬間です。なんと、親切にも係員さんが
「左に座ると後転、右側に座ると前転しますよ」
と親切に教えてくれたのです。
前転・後転の事実を知った私は、リアルに「ファッ!?」という声を発しました。前転・後転ってなに? 一回転するの? 聞いてないよ!? とプチパニックを起こす私。あまりの狼狽えように、係員さんもキョトンです。そりゃあそうだ、普通はアトラクション内容を知った上で乗るもの。
結局「右側の方が回転がゆっくり」という助言を受けて、仲良く右側に乗車。私の「回転やだーー! 降りたいーーー!!」という小声の喚きも虚しく、「リトルスター」稼働の合図であるブザーが鳴らされました。
動き出してからは、もう大絶叫!!
「スリラーカー」と「ローラーコースター」に乗った時、「今日いちばん叫んでいる客は私だろうな……」という自覚がありました。がしかし「リトルスター」での絶叫は、ふたつのアトラクションとは比べものになりません。なんせ、人生で初めて頭が下にくる乗り物に乗ったのですから。普通の「キャーー!!」以外にも、「ヤダーーー!! もうやめてーーー!!!」とか言った気がする。
アトラクションが終了した時には、髪はボサボサだわ、恐すぎて謎の笑いが込み上げるわ、降りる時は膝ガクガクで腰を抜かしかけてるわで大変でした。あと、泣いた。マスカラが落ちてパンダ目になるぐらい号泣した。まさか27歳にして、遊園地のアトラクションに泣かされるとは……恐るべし、「リトルスター」。
ちなみに友人Aは全力で叫ぶ私に大爆笑し、ガクガクしながら泣くパンダ目の私を見て手を叩きながら大大爆笑してました。コイツ、絶対確信犯だろ。
浅草花やしきをナメると、どんな酷い目にあうのか
私が体験した恐怖を感じたままに綴ったら、こんなに長くなってしまいましたが、如何だったでしょうか。少しでも恐さをお伝えすることが出来たでしょうか。
「『浅草花やしき』ってよく知らないけど、古い遊園地でしょ?」「全然怖くなさそう」と軽い考えをお持ちの方、今すぐ改めたほうがいいと思います。私のように泣かされますよ。
「ファミリーからカップルまで楽しめる〜」って謳ってるけど、そんなことはないからね。“身長110センチ以上”とか、“2歳以上から乗れます”ってアトラクションがあるから、小さい子でも楽しめるんじゃん!! 大人なら余裕のよっちゃんじゃん!! って認識は大きな間違い。「ローラーコースター」「リトルスター」を始め、65歳以上は乗車禁止のアトラクションは普通に存在していますから。
もし今後、浅草花やしきに行こうとしている人は、ぜひ「いろんな意味で恐怖満載の遊園地」だという認識を持って、無理をしない程度に楽しんでください!!
※再度申し上げますが、この記事のランキングは全アトラクションを体験した結果で制作されたものではありません。
※「浅草花やしき」は定期的に自主点検を行なっており、「走行中は絶対に手を投げ出さない」などのアナウンスを含め、安全面の配慮を十分に行なっています。安心して係員の指示に従い、レトロ遊園地を楽しみましょう。
浅草花やしき(※6月12日追記)
住所:東京都台東区浅草2-28-1
電話番号:03-3842-8780
営業日:営業時間カレンダーを参照
営業時間:10:00~18:00(季節・天候によって異なる)