きままりすと

気儘に言及するブログ

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ヴィレッジヴァンガード「百合展」から漂うファッション臭


 購読中の『田舎で底辺暮らし(id:pokonan)』さんが、こんな記事が書かれてまして、

pokonan.hatenablog.com

内容を読み切る前に、まず『百合展』そのものが気になってしまった私。リンクが貼られていたので、にまにまを堪えつつ、いそいそとリンク先へ飛んで行きました。

百合展2016

「三次元セーラーJK写真のお出迎え」に一瞬ドン引くものの、ブログ内でも言及されていたことだったので、取り敢えずスルーしました。ぶっちゃけ好みの子じゃないというのも、スルーの要因の一つです。

それよりも気になったのは、窓ガラスを挟んで二次元と対になっている演出です。詳細は各々リンク先での確認をお願いしたいのですが、右側にチラリと金髪JKの後ろ姿の一部が確認頂けると思います。私は、この姿に非常に見覚えがありました。姿というか、絵と言うべきなんですかね? 兎に角すごく見覚えがあって、「こ、これは、まさか……!!」と興奮しながらスライドさせると……。

 

く、黒沢さーーん!!

 

黒沢さんとは

【本名】黒沢ゆりね

『あの娘にキスと白百合を』(KADOKAWA/作者:缶乃)の登場人物。

普段はボーッとして学校でも寝てばっかりの癖に、勉強も運動も何でもトップで出来ちゃう。いわゆる天才。何でも出来ちゃうが故に「黒沢さんには敵わないよ」と無意識に遠巻きにする周囲を、どこか冷めた目で見る時がある。が、しかし、唯一「アンタを負かしてやるんだからね! バカァ!」と敵対心むき出しで食らいついてくる『努力の天才』白峰あやかを好きになる。どれくらい好きかというと、宣戦布告した白峰に下駄箱ドンしてファーストキスを奪っちゃうほど好き

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感想(0件)

私、この漫画大好きなんです。あまり百合漫画を多く読んでいないこともあるんですが、キュンキュンしまくってます。本作では幾つかの目線で物語が描かれていて、その中でもメインと思われる黒沢×白峰コンビがお気に入りです。次点で後輩ちゃんとデコ先輩。

 

スライドさせた先にお気に入りの2人がいて、私のテンションは一瞬にしてMAXになりました。白峰さんかんわいいいい!!!!とMBAの画面にガッツリしがみ付く程度には興奮いたしました。ごちそうさまです。

暫し興奮した後、『百合展』の目的は黒沢×白峰に萌えることではないと気付いた私は、HP内をうろうろ。ふむ、2月末に開催されるんだな。とか、缶乃さん以外にも結構知ってる作者さんが参加してるんだな。とか色々情報を得ていると、こんな一文を発見しました。

 

女性同士の友情や愛情を意味する言葉「百合」をキーワードに大規模フェアを開催します。

引用先:[http://www.yuriten.com/about/]

 

……あれ? 愛情は兎も角、「百合」に友情の意味ありましたっけ?

 

百合とは 

百合(ゆり)とは、女性の同性愛のこと。

引用先:[https://ja.wikipedia.org/wiki/百合_(ジャンル)]

 

Wikipediaさんより。そう、私の中ではコレです。BLが薔薇であるように、GLは百合だと思っていました。対というか、対義語みたいな感覚でいたのです。勿論、ジャンル的な意味です。

しかし検索すると、こんなのもありました。

 

男性同士の深い戯れが「薔薇」と言われたことから、対義語として女性同士の戯れが「百合」と名付けられたものです。

そこで、「ということは、レズビアンか?」という疑問も生じるでしょう。レズビアンは純粋に同性の恋愛関係なので、この「百合」は少しニュアンスが違うように感じるのです。

(中略)

最近ではガールズラブとも言われるようですが、個人的には、同性愛とも割り切れず、友情とも愛情とも表現し難い、しかしながら明らかに想い合っている関係ではないかと思います。

引用先:[http://sirabee.com/2014/07/02/744/]

 

しらべえさんより。なるほど。確かに言われてみると、そんな感じがします。

私もお相手さん*1と、自分たちは恋人であり親友であり相棒であり家族みたいなもんだと話したことがあります。この辺りは「友情とも愛情とも表現し難い、しかしながら明らかに想い合っている関係」の部分に、とても当て嵌まる気がしました。

 

 ヴィレヴァンで「百合」を取り扱う意味

「百合展」HPを見ていて、引っ掛かったのは「どうして『百合展』をやるのか」という点です。現時点で書かれている内容から見て、セクシャルマイノリティな部分にスポットを当てて行うのではなさそうです。どちらかというと、コミケの延長線みたいな感じでしょうか。

セクシャルマイノリティの意味合いが強いのは、たぶんコチラのイベントでしょう。

greenfunding.jp

まあ、缶乃さんたちが描くような本屋で売られる「百合」も、コミケで売られる「百合」も、現実では殆ど有り得ない"ファンタジー"の域を出ないものなので良いんですけど。

しかし、近年に見られるBLやGLなどと言った所謂『オタク分野』に括られるものや、それらを嗜好としている人たちの取り上げられっぷりに、私は心配になります。一昔前は、そういう類のものは人知れず密かに楽しんでいたものです。知られてはいけないと言いますか、墓場まで持っていく秘密のようなものだったと思います。

にも関わらず、最近は割とオープンな感じがします。流石に「薔薇展」はやりませんが、今回の「百合展」だったり、オタクな人のお家にお邪魔したり、そもそも公式がソッチ方面にドンピシャで狙いを定めてきたり。

その所為なのか、最近では気軽にオタクを名乗る人が湯水のように現れる始末です。グッズの販売戦略としては大成功ですが、慎み深く嗜んでいた頃が酷く懐かしく感じられます。

 

オタクというファッション

私は別に、今回の「百合展」は違和感こそあっても否定はしません。

ただ、ヴィレヴァンのような「遊べる本屋」で展開されると、なんだか……とてつもなく安っぽいモノのように感じられます。ヴィレヴァン好きでサブカル大好きな女の子が、「百合展」で取り上げられている本を胸に「女子校という花園で育まれる少女同士の禁断の愛って、綺麗で儚くて、でも凄く切なくて素敵だと思います。うふふ」とか呟いちゃう光景が、何故か脳内で再生出来てしまうのです。

この光景が、私の豊かすぎる想像力が生み出した、つまらない産物であることを願います。だって、本当にそんなオシャレ感覚で百合作品を持つ人がいたら、ちょっと人差し指と親指でギュッとしたくなりますもん。ドコをとは言いませんけど。

 

余談ですが、私はヴィレヴァン大好きです。

*1:「きままりすと」内では過去数回『パートナー』の呼称で登場

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